研究課題/領域番号 |
18J14458
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
加藤 大祐 三重大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2019年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2018年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 癌 / 上皮間葉移行 / 癌微小環境 / アシドーシス / 癌進展 / 乳癌 |
研究実績の概要 |
酸性環境下で培養した乳癌細胞(MCF-7)は細胞同士が離れ、紡錘形の形態を示した。細胞間のE-cadherinとβ-catenin発現は消失し、上皮間葉移行(EMT)を起こす事が分かった。酸性環境はFAK/SRCのリン酸化を促進させ、さらにSRC阻害剤がEMTを阻害し、FAK/SRCシグナルが重要であることがわかった。次に、EMTに関与するインテグリンについて検討を行った。酸性環境下でインテグリンαvとβ6のタンパク量が増加し、αvとβ6はfocal adhesionで共局在していた。インテグリンαvはリン酸化FAKあるいはリン酸化Srcと共局在しており、インテグリンαvの中和抗体が酸性環境で誘導されたEMTを完全に抑制したことから、インテグリンαvが重要な分子であることが分かった。 FAK/SRCの下流に位置するCortactinについて検討を行った。酸性環境がCortactinのリン酸化を誘導すること、リン酸化Cortactinがfocal adhesionでIntegrin αvやリン酸化FAK/SRCと共局在することが分かった。Cortactinは癌の浸潤に関与するが、酸性環境で培養した乳癌細胞では浸潤能と共に細胞外マトリクス分解能が亢進していた。 次に酸性環境が癌細胞の転移能に及ぼす影響をin vivoで検討した。マウス乳癌細胞株(4T1)を通常環境(pH7.4)あるいは酸性環境(pH 6.4)で7日間培養したのちに、マウス(balb/c)の尾静脈から静注し、肺への転移能を評価した。酸性環境で培養した乳癌細胞がより肺へ転移していくことが分かった。以上から酸性環境が癌の転移能を促進させることが分かった。 現在、ヒト乳癌組織でリン酸化Cortactinの発現を検討しているが染色条件がまだ定まっていない。こちらの染色条件が整い次第、予後や病型との関わりを検討していく。
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現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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