研究課題
特別研究員奨励費
当該年度においては、まず、昨年度までの成果として実現した、複合変調フォトニック結晶による2次元ビーム走査レーザーチップを上手く活用したシステムとして、従来のフラッシュ型のLiDARへレーザーチップを導入した、新たなLiDARシステムの提案および実証を行った。従来のフラッシュ型LiDARにおいては、全面がリアルタイムに測距可能であるという特徴があるものの、全面照射であるために、1点あたりの光強度が弱く、反射率の低い黒い物体においては十分な信号が得られず、測距が困難であるという課題がある。そこで、本研究で開発した、2次元ビーム走査デバイスを導入し、黒い物体を狙いうちすることで、黒い物体の測距をも可能とする新たなLiDARシステムを提案し、その実証実験を行った。実証実験により、狙い通り、ビーム走査で黒い物体を狙いうちすることで、黒い物体の測距に成功した。さらに、上記のLiDARシステムにも応用可能な、広範囲フラッシュ照射型複合変調フォトニック結晶レーザーの提案・実証をも行った。複合変調フォトニック結晶レーザーにおいて、面内で回折ベクトルを連続的に変化させてビームを拡げつつ、様々な角度へ出射する多数のレーザーを一括で駆動することで、広角度範囲をフラッシュ照射可能なデバイスの提案を行った。それぞれのビームを8度に拡げつつ、出射方向を2次元的に変化させた複合変調フォトニック結晶レーザーをアレイ状(10×10)に集積したデバイスを作製し、30度×30度の広範囲におけるフラッシュ照射に成功した。レンズアレイや外部光学素子などを一切用いず、単一チップのみで広範照射ができる本レーザーの社会へのインパクトは大きく、LiDARシステムやモバイル等に応用できると考えられる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
Nature Communications
巻: 11 号: 1 ページ: 3487-3487
10.1038/s41467-020-17092-w
120006870876
Journal of the Optical Society of America B
巻: 36 号: 9 ページ: 2593-2593
10.1364/josab.36.002593
http://www.qoe.kuee.kyoto-u.ac.jp/
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