研究課題/領域番号 |
18K00008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 正樹 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20232407)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 責任帰属 / 不在因果 / 過失 / 信念の倫理 / W.K. クリフォード / 風評 / 不作為 / 非難相当性 / コロナ感染症 / 震災関連死 / 反事実的条件分析 / 過失の未遂 / 責任 / 因果 / 厳格責任 / 知識の因果説 / 条件文 / 触法精神障害者 / 不在 / 対称性議論 / 人権 / 原発事故 / 原因 / 反事実的条件 / 予防 |
研究成果の概要 |
本研究は、責任帰属をめぐる理論的問題に対して、哲学の因果論を適用することで一定の明晰化を果たそうとするものである。その根底には、災害や感染症の際に、根拠の不明な主張が飛び交い、そうした主張のゆえに、災害本体とは別の二次被害が多々発生してしまうという悲劇に対して、その因果的構造を明らかにして、事態を解明したいという狙いがあった。そして、その狙いを果たすべく、認識や信念形成の際に証拠や根拠の確認を怠るという、認識的「過失」という不在を原因として害がもたらされる、という不在因果として問題を整理して、英国の哲学者クリフォードの「信念の倫理」に即しながら、責任帰属と因果性の問題について議論を展開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加害と被害の構図は、現代社会においては、刑法や民法によって判定される。けれども、SNSが普及し、一人の人の発言が瞬時に多くの人々に伝わる時代には、これまで想定されていなかったような加害と被害の様態が現出してきた。とりわけ、SNSやネットを通じた誹謗中傷や風評による加害と被害については、現代社会の中での早急な対応策が求められている喫緊の課題である。当研究課題は、こうした問題に対して、哲学での因果論、とりわけ「不在因果」をめぐる議論を適用することで、一定の理論的筋道を与えようとした。道半ばではあるが、議論の方向性を示すことはできたと思われる。
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