研究課題/領域番号 |
18K00011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田中 伸司 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50207099)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | プラトン / 『国家』 / 徳倫理学 / エルのミュートス / ポリテイア / イデア論 / 円環的構成 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、プラトン『国家』のうちに新たな徳倫理学の可能性を示すことである。この目的のために以下の2点の論証を行った。これらの論証は知性主義的な徳倫理学の新たな可能性を示すことになるであろう。 ① イデア論と哲人統治者は普遍的な真理を謳う宣言ではなく、真理への接近可能性を確保するための枠組みであり、それは真理をめぐる哲学的熟議の可能性をもたらすこと。 ② 善のイデアが語られる中心巻へのアプローチのために、円環的構成という観点から対話篇全体を分析し、なぜイデア論が哲学的な脱線と呼ばれるのかを明らかにすること。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特長は、プラトンの徳倫理学がエゴイズムの克服を目標としない仕方で私たちのよき生(welfare)を提示していると示すことにある。すなわち、プラトンの『国家』を徳倫理学という視点から解析することによって、徳倫理学がもともと志向していたはずの政治理論としての位相に光を当てるものである。特に、プラトン哲学とりわけそのイデア論が民主政における熟慮形成を可能にするものであることの論証は、本研究の主な成果の一つである。
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