研究課題/領域番号 |
18K00028
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村松 正隆 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70348168)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 自己愛 / ルイ・ラヴェル / 精神的修練 / ミシェル・アンリ / 小説 / 文学と哲学 / ルネ・ジラール / スピリチュアリスム / 沈黙 / フランス・スピリチュアリスム / ジュール・ラニョ― / イロニー / 林達夫 / ジャンケレヴィッチ / ナルシシズム批判 |
研究成果の概要 |
本研究においては、フランス近現代思想史における「自己愛」概念の位相を明らかにすることを目指した。フランス思想においては、パスカルやマルブランシュ以降、様々な「自己愛」の概念があるが、これは特に、20世紀前半になって新たに脚光をあびたと言える。本研究はこうした状況の中、特に、ルイ・ラヴェルが「自己愛」に厳しい批判を向けつつ同時にその「善用」の方向性を示したこと、ジャンケレヴィッチが「自己愛」に対してこれを徹底的に批判し新たな倫理の方向性を示したことを明らかにした。 また、ミシェル・アンリについても、「自己」にこだわるアンリの思想のうちにこそ、逆に「自己愛」を乗り越える契機があることを論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義としては、様々な場面で各人が、「自己」を演出することを強いられている現状を反省的に捉え、こうした「自己」演出の背景にある「自己愛」を相対化するためには何が求められるのかを明らかにした点が挙げられる。私たちは「自己」と付き合い、ある意味で「自己愛」を持たずにはいられないわけだが、これが病理的にならないための方向性をこの研究は明らかにしたといえる。 また、ミシェル・アンリの哲学が示すように、「自己」への沈潜が、翻って「自己愛」を逃れる道でもありうる点、並びに、この発想を現在脚光を浴びつつある「精神的修練」の概念に結び付けうる点を示したことが、本研究の意義と言える。
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