研究課題/領域番号 |
18K00144
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 東京大学 (2019-2022) 早稲田大学 (2018) |
研究代表者 |
田中 理恵子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (50779105)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 芸術人類学 / ダイアロジカル・エスノグラフィ / 現代キューバ / 音響実践 / 時間と空間の枠 / 情動 / 振動 / 制御不能 / キューバ芸術音楽 / 生と芸術の人類学 / 音楽と日常の実践 / 共有 / ダイアロジカル・アプローチ / 時間とかたち / 音響 / 制御不能性 / 表出 / 音楽人類学 / 民族誌的研究 / 音楽 |
研究成果の概要 |
本研究では音楽実践がもたらす社会的な情動形成の機序を明らかにすることを目的として、特異なイデオロギー形成を牽引したキューバ音響実践(1969年に創設された音響実験グループGES、及び今日の音響インスタレーション)を事例とした民族誌的研究を実施した。これらの音響実践は、一定の時間・空間という「枠」を創造することによって人びとの個別具体的な心性を結びつけ、同時に流れゆく音の「向こう」を想起しつつ乖離を生むという、制御不能な心性や身体の「振動」の諸相を示していた。社会変化の分析においてキューバの例では、マクロな社会的情動の表層よりも、こうしたミクロな社会力学的運動の重要性が浮き彫りとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日の社会文化研究において情動研究の重要性は高まっているものの、心性や身体性といった諸活動の深淵までを包摂する研究や、社会文化の今日的な変容を射程とした研究は充分とは言い難い。これに対して本研究は、キューバ実験音楽がいかに人びとの心性や身体性を刺激し、そして社会変化として結実していくのかを、社会変容期キューバにおいて実証的に検証したものである。加えて時間性を表す音楽(留まることなく「向こう」へ流れゆく)と、空間性を表す音響インスタレーション(一定の時間・空間の「枠」を創造する)に注目することで、社会力学の微視的な運動性の一端が明らかとなり、情動研究の新たな可能性を示すことができたと考える。
|