研究課題/領域番号 |
18K00168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2019-2020) 共立女子大学 (2018) |
研究代表者 |
山本 聡美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00366999)
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研究分担者 |
佐々木 守俊 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (00713885)
井並 林太郎 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (80747329)
加須屋 誠 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 客員研究員 (60221876)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 仏教説話画 / 病草紙 / 法華経変相図 / 厨子絵 / 十王図 / 閻魔天 / 縁起絵巻 / 経説絵巻 / 六道絵 / 九相図 / 愛染明王 / 辟邪絵 / 粉河寺縁起絵巻 / 三十六歌仙絵 / 時代不同歌合絵 / 弘川寺 / 寺社縁起 / 妙法蓮華経変相図 / 融通念仏縁起絵巻 / 地蔵菩薩霊験記 / 絵巻 / 仏像 / 仏教説話 / 唱導 / 院政期 |
研究成果の概要 |
本研究では、絵画史・彫刻史・歴史・文学を横断した分析を通じ、仏典が絵画・彫刻・厨子といった造形に表現され、そこに霊性が形成される過程を分析した。主な成果として(1)南宋時代に制作された「法華経変相図」(静嘉堂文庫蔵)と平安時代の「病草紙」との間に共通する図像が見出されること、(2)「愛染明王像厨子」(東京国立博物館蔵)に閻魔天と愛染明王同体説に基づく図像プログラムが用いられていること、(3)「地蔵菩薩霊験記」(米国・フリーア美術館蔵)には女性の罪業と救済が主題となっており、その図像的伝統が鎌倉時代絵画に広く見出されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
霊性という複合的要因で成立する事象を検討するため、関連領域の研究者が一つの造形を共に分析する調査や研究会の場を複数回設け、議論を深化させることができた。特に、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が、社会の仕組みに変容を迫り続けている状況下で、2020年度には、本研究課題の代表者や分担者へ成果発信の社会的要請が高まった。現代の科学や医学をもってしても除去不可能な生存への脅威に直面したことで、古典知としての「霊性」への社会的関心が高まった側面がある。一見すると、前近代的な思考方法である「霊性」の概念であるが、秩序維持の術として、現代社会においても一定の役割を担い得ることが浮き彫りとなった。
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