研究課題/領域番号 |
18K00475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安川 晴基 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (60581139)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 想起の文化 / ドイツ / ナチズム / 記憶 / 想起 / ミュージアム / モニュメント / パブリックアート / ホロコースト / 文化的記憶 / 記念碑 / ベルリン / 公共芸術 / 都市空間 / ホロコースt / 都市 / インスタレーション |
研究成果の概要 |
本研究は、再統一後のベルリンに登場した種々の記念碑、ミュージアム、公共芸術を、それらの1)クロノトポスと、2)社会・政治的文脈の観点で分析し、それらが織り成す首都の記憶の景観が、今日のドイツのいかなる社会・政治的アジェンダを反映しているかを調べた。今日のベルリンを特徴づける脱中心的な記憶の景観は、1980年代の市民運動の中から生まれ、再統一後に制度化され恒常的な想起の場となった。その背景には、現在の民主的社会を維持しようとする市民社会のイニシアチブと、冷戦後の新たな国政秩序の中で、「西側の価値と利益を共有する共同体」に自己より深く統合しようとする連邦共和国の記憶政策が収斂したことがある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年ドイツではいわゆる「想起の文化」が社会と政治のさまざまな領域で営まれている。ナチズムの負の過去の批判的見直しと、それをめぐる諸々の論争は、ドイツ社会に民主主義的価値観を定着させるのに大きな役割を果たした。また、ナチズムの加害の過去を自国で想起するという特殊な課題に直面して、種々の革新的な想起の場が生まれた。本研究は、再統一後のドイツの「想起の文化」とそのさまざまな空間実践の事例を提示することで、未解決の歴史問題を抱えている日本の社会に、自国の負の過去といかに向き合うべきか示唆を与えようとするものである。
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