研究課題/領域番号 |
18K00494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
永田 道弘 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (50513743)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 翻案 / フランス映画 / ナチ占領下 / 文芸映画 / 検閲 / 解放後の映画 / シムノン / バルザック / ナチス占領下 |
研究成果の概要 |
映画史的にみて非常に高い水準にあった占領期のフランス映画について、この繁栄がもたらされたのが戦時下という表現規制がことさら強い状況下であった点に着目し、検閲規制を逃れる有力な手段といわれてきた文芸映画を中心に作品の分析を行った。その結果、いくつかのケースについては、表現規制への対応が単なる「検閲逃れ」以上の側面を持ち、物語のレベルでは検閲主体の保守的イデオロギーから巧みに距離をとりつつも、表現レベルでそれを相対化する視点が導入されていることも確認できた。今後、さらなる検証が必要であるが、社会的な表現の抑圧が映画表現の質の向上につながったとする仮説の妥当性が立証されたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、表現の自由が厳しく制限されたナチ占領下のフランスにおいて、高度な質を持った映画作品が多く生まれたことの説明として、文学作品を原作とする映画作品の分析を通じて、社会的な表現の抑圧が映画表現の質の向上につながったとする仮説の有効性が認められた。今後の展開としては、戦後のフランス映画についても、その停滞の理由が、国家権力からの規制や民衆における反近代主義的イデオロギーが後退し、外からの圧力がなくなったことが映画の質の低下を招いたためといえるのか、といった問題設定が可能であり、戦争と映画をめぐるより包括的な研究が期待できよう。
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