研究課題/領域番号 |
18K00514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
手塚 恵子 京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (60263183)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口承文芸 / オラリティ / リテラシー / 掛け合い歌 / 壮族 / 中国 / 古壮字 / 方塊字 / 中華人民共和国 / リテラシ- / 声と文字 / 歌垣 / 方塊字(古壮字) |
研究成果の概要 |
オング(1991)によれば、識字者と非識字者では、その思考と表現のあり方が異なる。人間の思考のあり方に関してはオング説は必ずしも賛意を得ていないが、口頭構成法により作られた表現においては、後続の研究においても、リテラシーには見られないオラリティ特有の表現が見いだされ、両者の間の不可逆的な断層の存在が肯定されている。 本研究は口頭構成法以外の方法で作られた口承文芸にリテラシーと明確に分立するオラリティが存在するか、あるとすればそれはどのようなものかを、中国の壮族の口承文芸である掛け合い歌を対象にして事例研究を行い、その修辞表現の差異が伝統的な壮語の文字の識字の有無に関連していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オング(1991)以降の諸研究においても、口頭構成法により作られた英雄叙事詩や語り物には、リテラシーには見られないオラリティ特有の表現が見いだされ、両者の間の不可逆的な断層の存在が肯定されている。一方、口頭構成法以外の方法で作られた口承文芸に関しては、それらを明確に論じた研究は見られない。 本研究では、口頭構成法以外の方法で作られた口承文芸(壮族の掛け合い歌)を研究対象とし、そこにリテラシーと明確に分立するオラリティが存在するか、あるとすればそれはどのようなものであるかを、例示したものである。オラリティ研究の対象領域を口頭構成法による表現以外に拡大したところに、学術的意義があるといえよう。
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