研究課題/領域番号 |
18K00514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
手塚 恵子 京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (60263183)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 壮族 / 中華人民共和国 / 口承文芸 / オラリティ / リテラシー / 掛け合い歌 / 方塊字 / 古壮字 / リテラシ- / 声と文字 / 歌垣 / 方塊字(古壮字) |
研究実績の概要 |
『声の文化と文字の文化』においてオングは、口頭構成法理論やA・R・ルリアの論考などに基づき、表現や思考が声にもとづいて組み立てられている世界と、それらが文字によって組み立てられている世界では、人間の思考と表現のあり方が大きく異なっていることを明らかにした。現在では、人間の思考のあり方に関しては、オング説は必ずしも賛意を得ていない。その一方で英雄叙事詩や語り物の表現においては、リテラシーには見られないオラリティ特有のものが見いだされ、両者の間の不可逆的な断層の存在が肯定されている。 本研究の目的は、口頭構成法以外の方法で作られた口承文芸に、リテラシーと明確に分立するオラリティが存在するか、あるとすればそれはどのようなものかを探求することであり、その目的を達成するために、中国の広西壮族自治区に居住する壮族の口承文芸である掛け合い歌(フォン)を対象にして、事例研究を行うものである。 事例研究では焦点を「武鳴県の壮族のフォンの修辞表現の差異が方塊字(伝統的な壮語の書き言葉)の識字の有無に関連しているか」に絞り、2023年度は下記の方法で研究を進めた。 ①広西壮族自治区武鳴県において過去に収集し、ノートに記述した掛け合い歌6000首について、昨年度に引き続き、歌い手ごとに歌を整理した。② ①のうち、400首(6冊のノート分)について、現代壮語(アルファベット表記)、方塊字(壮語の書き言葉)、現代中国語を用いてテキスト化し、さらに電子データ化を行った。③ 壮族の掛け合い歌にたいする外部からの評価およびそれに対する地元の認識について学会発表1回行い、さらに論文1篇を学会誌に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は識字者と非識字者の掛け合い歌の言語表現の差異について考察するものである。個々の歌い手のうたった歌に関する分析とともに、個々の歌い手の生活史を聞き取り、どのようなかたちで文字文化と接点があったのかをか明らかにする必要がある。本年度も広西壮族自治区におけるフィールドワークを実施することを計画し、その準備を進めてきたが、新型コロナウィルスの流行により、中国への渡航が不可能になり、フィールドワークを実施することができなかった。このことが研究が遅れている主要な要因である。 これまでに収集した掛け合い歌を電子データ化する作業については、着実に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は本来ならば今年度が最終年度であるが、延長願いを提出し受理されたので、2023年度も引き続いて研究を行う予定である。 研究計画のうち、フィールドワークについては、新型コロナウィルスの流行により、中国への渡航が不可能になり、実施することができなかった。2023年度には、フィールドワークを実施できるように、準備を整えていきたい。 また、これまで収集してきた6000首のフォンを、現代壮文表記、漢語による表記、方塊字表記によって電子データ化する作業にも引き続いて注力していきたい。
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