研究課題/領域番号 |
18K00522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 勲人 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40250998)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 中国東南方言 / 事態把握 / 主観的事態把握 / 客観的事態把握 / ヴォイス / 主題化 / 受動文 / 処置文 / 使役文 / 二重主語文 / 主題文 / 文法化 / 受益文 / 呉語 / 紹興方言 / 主観性 / 方言文法 |
研究成果の概要 |
本研究は、中国東南地域の諸方言の言語データを詳細に調査・分析することを通して,近年の認知言語学の成果によって研究が進んでいる事態把握の問題に関して、中国語の特徴を明らかにした。 中国語は客観的事態把握を好む言語であるといわれるが,その傾向は官話と呼ばれる北方方言においてとくに顕著であることが明らかとなった。北方方言では,話し手は事態の外に身を置いて,傍観者ないし観察者の視点から事態を捉える客観的事態把握を好む傾向が見られるのに対して,東南地域の諸方言では,話し手は事態の中に身を置いて,体験者の視点から事態を捉える主観的事態把握を好む傾向が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東南方言の受動文や使役文、処置文といったヴォイスに関わる言語現象について新たな知見を得られたことは本研究の成果である。また、当該現象の分析を通して、東南方言の事態把握が、北方方言とは異なることを実証的に明らかにすることができた。広大な国土に様々な方言が存在する中国語は、地域ごとに異なる性質を備えていることを事態把握の分析を通して明らかにすることができた。方言文法研究の有用性を示すと同時に、中国語の多様性を示すことができたことも本研究の大きな成果である。
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