研究課題/領域番号 |
18K00530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
仲本 康一郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80528935)
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研究分担者 |
岡本 雅史 立命館大学, 文学部, 教授 (30424310)
加藤 祥 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクト非常勤研究員 (40623004)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 物語標識 / メタファー / 相互行為 / オープン・コミュニケーション / ナラティブ・リアリティ / 心の葛藤 / 心的出来事 / 力のダイナミクス / 小説内相互行為 / ナラティブとしての小説 / イディオム / 物語 / フロア / 非流暢性 / 外国人児童生徒教育 / インタビュー調査 / 教師の成長 / ソーシャルメディア / 独話志向性 / 仮想的相互行為 / 否定的直喩標識 / 仕事の意味論 / 語りの視点 / 基盤化 / 物語の要素 / 読み手意識 / 語り(ナラティブ) / 認知語用論 / 生成 / 変容 |
研究成果の概要 |
本研究では、日常的な営為によって生み出される語りと、語りが生成する世界に一貫性を求める私たちの心の習慣をナラティブ・リアリティとしてとらえ、人が語ることでいかにしてリアリティを構築しているかを認知語用論の観点から考察した。具体的には、(1)私たちは外界の出来事に付随する心的体験を意図や感情、動機といった心の概念を通して語ること、(2)私たちは語りを構造化する物語標識を用いて有意味な物語を生成し、さらに他者との相互行為によって語りを変容させていくこと、(3)私たちは語りの視点を動かすことで相互行為という場の内と外にいる参与者の関係性を柔軟に変容させていくことを、具体的な言語事例を通して解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来までのナラティブ研究が、社会的な権力構造やアイデンティティの変容、ジェンダー構築など、社会言語学的な関心に傾いていたのに対し、本研究では、語りによって生み出される意味の創出そのものに着目し、物語を生み出す人々の語りがいかなる心のメカニズムによって動的に生み出されているのか、さらにそれらが相互行為を通してどのように多様な物語へと変容していくのかを、認知語用論の観点から考察した。本研究の成果は、言語学におけるナラティブ研究の可能性を広げるだけでなく、今後、他の関連分野の研究者が自身のフィールドで語りを分析するときの精緻な記述手法となることも期待される。
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