研究課題/領域番号 |
18K01053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
朝治 啓三 関西大学, 東西学術研究所, 客員研究員 (70151024)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グロステスト / シモン・ド・モンフォール / ヘンリ3世 / イングランド国制 / 司教 / 国制 / カトリック神学 / アダム・マーシュ / 司教巡察 / イノセント4世 / 司牧 / フランシスカン / 教皇イノセント4世 / 教会法 / リンカン司教 / Gravamina / インノケンティウス3世 / 第4回ラテラン公会議 / インノケンティウス4世 / ホスキン / 世俗権と教権 / ネポティズム / 司教の教会巡察 / 専制 / 中世イングランド国制 / ローマ教皇 |
研究成果の概要 |
13世紀イングランドにおける司教と国制の関係を解明するという計画において、本研究ではリンカン司教ロバート・グロステストの司教としての働きが、国王ヘンリ3世の王国統治や西欧社会の平和確保の政策と如何なる関係にあったのかを、司教書簡や神学著作を史料として解明した。通説ではグロステストがレスタ伯シモン・ド・モンフォールに働きかけて、ヘンリに対する諸侯の国制改革運動を指導させたとみなされている。しかしそれは史料には現れず実証されていなかった。むしろ司教はカトリック神学の世界観に基づいて、神によって創造された理性を持つ人間が、平和と公共利益を維持確保すべしとの世界観を、王や諸侯に諭したとの結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
教科書説では西欧中世における教会は国王権と並び対抗し得るほどの権力体として位置付けられてきた。特権領としての教会領を所有し、教会裁判権を行使し、十分の一税などの収入を確保して、世俗権力者と勢力争いをしたとみなされてきた。しかし世俗諸権力(国王や諸侯や都市)は相互に対立して、平和が維持されず、和議や調停を第3者としての教会に依存していた。しかも世俗諸権力者は土地や収入権を教会や修道院へ寄進し、聖職推挙権を維持して、自己の保存に役立てた。俗権と教権は相互に必要であり、二つの権威や権力を統括する上位の権威としての神への信仰を維持することが平和に不可欠であった。通説を書き改める研究成果といえる。
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