研究課題/領域番号 |
18K01673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 京都文教大学 (2020-2022) 甲南大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
筒井 義郎 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (50163845)
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研究分担者 |
山根 承子 大阪大学, 大学院経済学研究科, 招へい研究員 (40633798)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 所得再分配 / 幸福度 / 不平等回避仮説 / 幸福関数 / 完全平等 / 緊急事態宣言 / シングルマザー / 新型コロナウイルス感染 / 周りの人の所得 / 働きぶり / 固定効果モデル / 個人間比較 / ハイ・ブリッド・モデル / 不平等回避 / happiness function / 主観的幸福感 / 所得再配分 / 相対所得仮説 / アンケート |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、所得再分配によって人々の幸福度がどれだけ改善されるかを明らかにすることである。この目的を達成するため、まず、所得と幸福度のパネルデータを用いて不平等回避仮説が成立するか否かを調べ、アメリカでは平等によって幸福になる傾向がみられたが、日本ではむしろ、他人より高い所得を得ていることに幸福を感じることが分かった。次に、仮想的な所得再分配シナリオについて日本人全体の幸福度がどのように変化するかを推定した。中間の所得階層には手を付けず、高所得層に累進課税して低所得者層に等分に分配した場合、幸福度は10%の経済成長と同じ程度改善されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
所得再分配が好ましいかどうかは、多くの民主主義国において大きな論争点である。通常、貧困層は再分配によって利益を得、富裕層は不利益を被る。本研究課題はこの問題を考える際に有益な二つの情報を提供する。第1は、日本においては、貧困層は再分配に賛成し、富裕層は反対するという結果である。第2は、再分配によって、どれだけ富裕層は不幸になり、貧困層は幸福になるか、そして両者を合計した日本人全員の幸福度はどれだけ改善されるかである。われわれは、日本で行われているような再分配は、10%の経済成長と同程度の効果があることを明らかにした。これは、所得再分配の可否を考えるうえで、国民・政府にとって有益な情報である。
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