研究課題/領域番号 |
18K01856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
高橋 正泰 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (10154866)
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研究分担者 |
高木 俊雄 昭和女子大学, グローバルビジネス学部, 准教授 (80409482)
四本 雅人 長崎県立大学, 経営学部, 准教授 (90547796)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ブラック企業 / 日本的経営 / 組織ディスコース分析 / 企業倫理 / 家の論理 / 日本的雇用慣行 / スエットショップ / CMS / ディスコース分析 / ブラック企業問題 / コミュニティ企業 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトにおいては、ブラック企業という現象を単に現状を記述するのではなく、なぜこのような現象が生じたのかを明らかしようと研究を実施した。最初に日本におけるブラック企業とされる企業の現状について調査を開始したが、コロナ感染の影響で十分な実態調査を行うことが困難となり研究期間の延長を申請した。2022年度もコロナ禍にあり実態長は難しい状況であったが、ブラック企業に関する資料を収集しその成果をまとめ、研究報告するべく2023年度への研究期間の延長を申請している。 本研究プロジェクトにおいては、ブラック企業という現象を単に現状を記述するのではなく、なぜこのような現象が生じたのかを明らかにするために、組織ディスコース分析を試みている。そのため、2022年度までは研究メソドロジーの検討とブラック企業が生じた歴史的背景や公表されている資料に基づき研究を進めている。 バブル経済が弾けるとともにグローバリズムの波に飲み込まれ、崩壊したと言われている日本的経営の1つの変容した姿を浮き彫りにしつつ、短期的な成果のみを追求し、安易に従業員を切り捨てることを可能とするようなマネジメント思想が「家の論理」と歪な形で結合することによって、従業員には滅私奉公を強いり肉体的にも精神的にも追い込み、人間性を抑圧することにより従業員が使い捨てにされてしまっているというの現状であった。そのため、第2の研究として、日本的雇用慣行がどのように変化したのかを振り返えり、そこからブラック企業の問題がいかに発生したのかについて明らかにしようと試みた。ブラック企業問題は、まさに経営者の企業倫理や経営理念の問題とそれを含む企業文化や企業規範と深く関係している。現在は、これまでの理論的および資料収集による結果をまとめ、コロナ感染の終息とともに2023年度にはブラック企業についての実証分析を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は日本におけるブラック企業についての実証分析であるが、2020年に発生したコロナ感染により企業への聞き取りや訪問の機会が大幅に制限されたことにより実地調査を十分に行うことが出来なかった。そのため、ブラック企業が発生する理由の理論的検討と資料収集による歴史および日本の社会的・経済的現分析に留まっている。コロナ感染が5類に引き下げられることにより実証研究の条件が整ったので、これまでの研究成果を元に短い期間であるが企業への聞き取り調査を実施して、2022年度までの研究を生かしつつその検証と組織ディスコース分析を実施するため2023年度に研究期間を延長をお願いしている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に研究期間を延長をお願いしたのは、コロナ感染が5類に引き下げられ実証研究の条件が整ったからであり、これまでの研究成果を元に短い期間であるが企業への聞き取り調査を実施して、2022年度までの研究を生かしつつその検証と組織ディスコース分析を実施するためである。そのため、理論および調査に基づき、企業を対象としたインタビュー調査および定量化のアンケート調査を行う。 ブラック企業に関しての具体的な対象としては、研究代表者および分担者がパイロット調査を行ってきた飲食業界およびICT業界の元マネジャー、技術者、元従業員を対象として実施する。また、インタビューでは主に、現実の場面でどのように「家」や「家族」という表象が用いられているかを確認する。経営者等が「家」や「家族」を用いる際、どのような目的がその背景には存在し、どのように自身の行為の根拠づけとし、そしてそれが契機となる行為が生じたのかを明らかにしていく予定である。
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