研究課題/領域番号 |
18K01902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山田 孝子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80272053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | メディア接触 / 生活者 / 大規模調査データ / モデル / データ分析 / モデル化 / 行動変容 / 生活価値観 / 時間消費行動 / メディア価値観 / モデル分析 / メディア分類 / 視聴覚 / 分離利用 / 消費者メディア接触 / ランダムフォレスト / 大規模生活者調査データ / 予測モデル / 「時間・所得」の分配行動 / メディア横断 / エージェント・ベースド・シミュレーション / クロスメディア / 消費者 / 確率モデル / 調査データ |
研究実績の概要 |
2022年度は2019年度末に顕在化したコロナ新型感染症の影響を受け、本研究の課題である消費者のメディア利用時間や生活行動習慣そのものがどう変化しているか、を分析することに集中した。このパンデミックに伴う行動変容やリモートワークへの移行はこうした生活者の行動習慣に劇的な影響を受けていることを懸念したからである。ここが変わってしまえば、大幅にモデルを変更する必要があり、そのためにモデル化の取り組みが遅れた。 2022年度はコロナ感染症流行前に取得した大規模生活者総合調査とコロナ流行下でデータが収集された2020年の同データを比較し、生活者の時間・所得配分を要素とするモデルへの影響を明らかにした。 生活者1日の1時間刻みの時間の使い方を比較する限り年齢、性別などの単純なデモグラフィック情報で生活者を分けて比較すれば顕著な変化はみられない。しかし、メディア接触のタイミングや通勤時間など、やはりリモートワークの普及による影響とみられる生活時間の変動は存在している。 生活時間の使い方は筆者が懸念するほどセンシティブではなく、生活者の暮らしぶりは、意外にもある種のロバストネスがあるという結果も得られていて、濃淡がある。 ただしデモグラフィックでの比較は表面的な比較にすぎない。メディア接触についての変化は異なる分類のもとで、違いが出てくる可能性が残されているので、注意深くデータを精査している。 いずれにせよ、このようなコロナの影響が価値観、メディア接触、消費などでどのように表れているか、明確に把握した上で一般性のあるモデル構築をめざしたいと考えている。 一年間、データの精査と比較に費やしたため、2022年度は学会発表などを行っていない。2023年度は、データ分析結果でコロナの影響についてまず明らかにした成果を公表したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
残念ながら2022年度は、具体的な進捗として報告できる成果はあがっていない。コロナによる様々な業務増加が主たる要因である。コロナによる影響は相対的に小さくなったが、それに付随する学内業務にほぼ1年間の時間を費やさざるを得なかった。 その中にあって2019年データと2020年の大規模生活者調査データを用いた24時間の行動がどのように変容したか、といった基本的な分析には取り組んだ。その結果、年齢や性別といったデモグラフィックな情報だけで、こうしたコロナによる行動変容が明示的にすぐとらえられるものでないことがわかった。現在は、2019年、2020年それぞれの年で、24時間を1時間刻みでどのような生活行動を行ったかの質問を、回答ベースで分類し、逆に類似した生活パターンを送る生活者の分類と、なぜそのような分類になったか、という観点から比較する作業に取り組んでいる。 このようなライフスタイルと、その生活行動でのメディア接触を基本としてしっかり把握したうえで、今年度のモデル実装に向けて取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度にあたるため、分析を密度とペースを上げ、モデル構築と、国際会議への投稿までぜひすすみたい。また当該データを用い、東日本大震災やコロナ禍といった大きな災厄があっても、生活者の価値観や日常行動がそれほど大きく影響を受けていないという事実を逆に利用し、こうした高いコストをかけて収集されるデータをデータプログラミングとして生成する問題に取り組みたいと考えている。具体的には、大学院生とともに、2009年から20020年までのデータを機械学習の学習データとして用いて、2021年のデータを生成した場合の、実際のデータとの差異を明らかにし、信頼性の高い生活者データ推定と生成を機械学習の手法を適用して開発したいと考えている。
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