研究課題/領域番号 |
18K01918
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
矢内 一利 青山学院大学, 経営学部, 教授 (10350414)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ラチェッティング / 予算目標 / 防衛型戦略 / 探索型戦略 / 分析型戦略 / 受身型戦略 / 経営者予想利益 / 戦略タイプ / 予算(業績目標) / ラチェット効果 / 戦略特性 / コミットメント / 利益調整(報告利益管理) / ラチェット / 報告利益管理 / 受身型 / 予算 |
研究実績の概要 |
今年度は、Miles and Snow(1978)が唱えた戦略タイプである防衛型、探索型、分析型、受身型の選択が、それぞれ予算目標(利益目標)のラチェッティングに与える影響の検証を、財務データを用いて行なった。検証に際しては、「探索型戦略を選択する企業は、防衛型戦略を選択する企業よりも、予算目標のラチェッティングの程度が大きくなる」という仮説aと、「防衛型戦略を選択する企業は、探索型戦略を選択する企業よりも、予算目標のラチェッティングの程度が大きくなる」という仮説bを設定した。分析型戦略または受身型戦略を選択した企業のラチェッティングの程度については、先行研究での検証が少ないため、探索的な検証を行った。 分析に際しては、経営者予想利益を予算目標の代理変数とした。また、先行研究に基づき、主として財務データを用いて、分析対象とした企業のそれぞれの戦略を推定した。分析の結果、探索型戦略を選択した企業ではラチェッティングの存在が確認されたが、防衛型戦略を選択した企業ではラチェッティングの存在は確認されなかった。これは、探索型戦略を選択した企業におけるラチェッティングの程度が防衛型戦略を選択した企業よりも大きいことを示しており、仮説aが支持されることが判明した。 また、分析型戦略を選択した企業ではラチェッティングの存在が確認されたが、受身型戦略を選択した企業ではラチェッティングの存在が確認されなかった。これは、分析型戦略を選択した企業におけるラチェッティングの程度が受身型戦略を選択した企業よりも大きいことを示している。加えて、探索型戦略を選択した企業のラチェッティングの程度は分析型戦略を選択した企業よりも大きいことも判明した。 以上の分析結果は、戦略タイプの推定に別の手法を用いた場合も同様であった。ゆえに、4つの戦略タイプの選択が、予算の設定に異なる影響を与えることが示唆された。
|