研究課題/領域番号 |
18K02163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
田澤 薫 聖学院大学, 人文学部, 教授 (70296200)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 保育所 / 児童福祉法 / 吉見静江 / 興望館 / 保育 / セツルメント / 子どもの主体性 / 子どもの主体形成 / 子育て家族の支援 / 厚生省児童局 / 興望館セツルメント / キリスト教保育 / 恩物 / 戦時託児所 / 保育制度 |
研究成果の概要 |
児童福祉法成立時、保育所の設立・運営・保育内容に関わる規程がまだ無い中、厚生省児童局に新設された保育課長に就いたのは、キリスト教主義セツルメントである興望館で館長を務めた吉見静江であった。吉見は、12年間課長であり続け、児童厚生施設も所轄し、課長の発言中に「セツルメント・隣保的」の例示がみられる。吉見および前職である興望館での仕事は日本の保育所保育確立に関連すると考えられる。 戦前から興望館では、キリスト教保育により、子どもが自ら決めて実行し、自分の気持ちを表現することが価値とされる保育事業が遂行され、吉見らは、子どもの姿から課題を見出して保育改善や新規事業、学童クラブへの連絡につなげていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2023年に発足したこども家庭庁が「こどもまんなかの社会」実現を目標として掲げるほど、今日の社会における子ども・子育て支援新制度下の保育は、乳幼児の主体性を尊重する「子どもの育ち」を基盤となし得ていない。そうした現状にあって、本研究が戦前期の事例から子育て家族を包括的に支援するセツルメントの保育実践で個々の子どもの主体が守られていたことを明らかにし、第2次大戦後の保育所制度発足時の保育課長はその実践例を念頭に子ども主体の保育を牽引しようとしたことを指摘できたことは、保育の歴史における知見として有意である。今後の保育の方向性を探る中で、今日の保育に直結する社会的な意義も大きい。
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