研究課題/領域番号 |
18K02773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
稲垣 真澄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 客員研究員 (70203198)
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研究分担者 |
加賀 佳美 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (20436877)
軍司 敦子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70392446)
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (10793200)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 学習障害 / 脳磁図 / 書字障害 / 視覚情報処理 / 逸脱反応 / 事象関連磁場 / 脳内ネットワーク / 合理的配慮 |
研究成果の概要 |
読字は日本人社会において不可欠なスキルで、単語の自動的な視覚認識に基づく。単語刺激に対する自動的な逸脱検出は視覚情報処理の初期段階で観察可能である。単語形態の逸脱のみで本応答が発生するか明らかにするために、フォントの種類の違い、日本語の漢字の正誤、疑似要素の4種類の逸脱刺激を利用して、成人日本語話者22名(男性6人)について脳磁図反応(MEG)を検討した。その結果フォントの違いの逸脱の検出に関して後頭極の活性化パターンが得られ、定型児でもほぼ同じ反応が得られた。一方、学習障害児では逸脱反応処理速度が遅く、文字認知の情報処理以前の視覚処理に困難がある可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
定型児との比較により偽字と比較して熟語刺激に対する処理潜時が遅かった部位が学習障害児で異なる点もみられ、定型発達児では紡錘状回近傍で熟語処理の潜時が遅かったが、学習障害児は一次視覚野背内側路であった。詳細な解析により学習障害児では150ms以内の文字刺激の処理に紡錘状回を使用していないあるいは使用できない代わりに、一次視覚野背内側路を使用している可能性が示された。本研究を通じて、学習障害児とくに漢字の読字書字障害例では視覚情報処理機能異常が明確に存在すると示唆され、MEGの診断的価値が見出された。これらの知見は個別の読字書字支援法を構築する上で参考となると考えた。
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