研究課題
基盤研究(C)
本研究では,絶滅危惧種に指定されている淡水緑藻類カワノリの人工養殖技術を確立するとともに,カワノリを環境学習の素材として利用したカリキュラム開発を行うことが目的である。現地調査によるカワノリ生育環境条件の把握,人工養殖実験を行うことで生育環境条件を定量化することができた。また,カワノリの養殖実験,水生生物による水環境評価,水質簡易分析を取り入れた科学・環境教育学習プログラムを開発し,絶滅危惧種の特産品への関心が高まり,その生育地である地元の川への環境保全意識向上が確かめられた。本学習プログラムを研究期間中実施した結果,科学・環境教育プログラムとして効果があることが示された。
本研究で対象としているカワノリは,献上品とされていた記録がある希少な天然資源であり,絶滅危惧種に指定されているため,保全策の確立,養殖技術の開発が急務である。研究成果の一つとして,本種が分布している地域の把握と生育環境条件を示すことができ,養殖実験の基礎資料が得られた。また,カワノリを環境学習の素材として利用した環境学習プログラムを開発し,生育地域の小学生に実施した結果,地域の水環境への興味関心や水環境保全意識が高まる効果が示された。さらに,絶滅危惧種の保全活動は,地域の食文化の継承,地域活性化へ寄与することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)
日本大学国際関係学部生活科学研究所報告
巻: 43 ページ: 9-16
Proceedings of the 38th IAHR World Congress, September 1-6,2019, Panama, City Panama
巻: 38th ページ: 365-375
10.3850/38wc092019-1392
https://www.ir.nihon-u.ac.jp/jc/subject/food/fn-cooperation.html