研究課題/領域番号 |
18K03101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
関山 徹 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40363600)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 発達障害 / 投映法 / 投影法 / 人間知覚 / 自閉スペクトラム / 共感 / TAT / 統合失調症 / 物語 / アスペルガー症候群 / 欲求-圧力分析 |
研究成果の概要 |
TATの新しい量的分析法を用いて自閉スペクトラム症(ASD)者における共感の構造を明らかにするため、(1)ロールシャッハ平凡反応に相当する基本反応と中核反応の開発及び妥当性の検討、(2)欲求-圧力分析の欠点を補う関係相の妥当性の検討を行い、それらの有効性を示した。さらに、(3)ASDの中学生のTAT反応を分析したところ、彼らは人間像を表象する機能は保持しているものの、社会的刺激に対する指向性が低いことが明らかになった。その背景には「直観的心理化」(別府,2012)や「マクロ的・抽象的な情報処理」(小嶋,2012)を苦手とする傾向が示唆され、共感の構造に大きな影響を及ぼしていることが考察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会のなかでASD者は決して珍しい存在ではなく、ASD者がその特性によってどのように日常世界を体験しているかを理解することは、よりよい支援や共生のための端緒となる。また、投映法は被検査者の世界を追体験しやすい手法であるため、知能検査では得られないASD者の内的体験の様子を具体的に知ることができる。とりわけTATは対人的関心や社会的認知の様相を簡便に把握することに秀でているが、TATによるASDの研究は少なく、特に中学生以下を対象にした研究はほとんど見当たらない。TATの量的分析手法を改良しつつASD者の共感の構造を検討することは、学術的にも社会的にも意義があると考えられる。
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