研究課題/領域番号 |
18K03222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 名誉教授 (10135767)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 距離正則グラフ / グラフの基本群 / グラフの普遍被覆 / 代数的組み合わせ論 / 弱距離正則有効グラフ / Terwilliger 代数 / 代数的組合せ論 / 代数的グラフ理論 |
研究実績の概要 |
本研究の最終的な目標は以下の三つである。Γ を 距離正則グラフ(DRG)とする。 A. π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) である直径の大きな DRG で、任意の距離 3 の二点 x, y について、直径が 3 の、Classical DRG で、これらを含み、 geodetically closed であるものが存在すれば、Γ は、Classical DRG である。 B. DRG の 被覆および基本群に関する一般論の展開。 C. 対応する有効グラフが存在する場合への拡張。 A に関し、Classical DRG は、π(Γ, x, 6) = π(Γ, x) を満たすことは、Q多項式型の性質を用いて、代数的な方法で示されている。幾何的またはグラフ理論的手法でも証明を試み、いくつかの場合には成功した。B の整備をおこなっているが、同時に、有効グラフが付随する場合との関係にも興味をもち、研究の幅を広げている。一般的に、有効グラフに関しては、基本群は考えられないが、その背後に、距離正則グラフが存在する場合には、関連性が考えられる。また、Girth が大きな距離正則グラフの問題は、弱距離正則有効グラフでも、同じように存在しているため、関連性を考えることは意味がある。コロナ禍で、研究交流の部分が遅滞したが、少しずつ、研究集会が対面でも持たれるようになり、これらの課題に興味を持っている、若手研究者との交流もはじまっている。特に、弱距離正則有効グラフの研究は進んでおり、その Terwilliger 代数およびその表現との関連は、進展が期待できる。実例も GAP などを利用して、豊富になってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
雑誌に掲載された論文からの情報収集、隣接分野の専門書から学ぶこと、査読などを通して、最新の結果を深く理解すること、構想を整理すること、研究者との電子メールや、論文の交換などを通して、情報交換することは、予定通り行っている。 コロナ禍で研究交流が滞っていたこともあり、直線的には、研究は進まなかったが、研究課題に関して、Terwilliger Algebra の表現との関係を考えること、および、弱距離正則有効グラフとの関連に注目することへと関心が広がっている。また、GAP (Group Algorithm and Programming)や、SageMath のプログラムを動かす習熟度は増しており、本研究の進展という意味では、十分な成果が得られていないが、本研究の推進に資すると期待している。
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今後の研究の推進方策 |
Terwilliger Algebra の講義録がほぼ完成し、すでに、暫定版を公開している。この、有効グラフ版を準備しており、これら代数を用いた、手法によって、本研究のテーマも、進展できるのではないかと考えている。また、GAP (Group Algorithm and Programming)などを用いた、実例の研究も、かなり進展したので、最初に設定した課題の直接的な解決ではないが、公開して、興味のある研究者グループへの貢献を考えている。実際、世界数カ国で、講義録が読まれており、現時点でもある貢献が実を結んでいると思われる。今年度を最終年度として、形のある結果に結びつけたいので、研究集会、シンポジウムなどをとおして、関連研究者の意見も聞き、質を上げていきたいと願っている。
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