研究課題/領域番号 |
18K03297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (10021635)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エネルギーバンド / チャーン数 / スペクトル流 / バルク・エッヂ対応 / ファイバーバンドル / 接続理論 / ハミルトン力学 / ポートハミルトン系 / ディラック方程式 / エネルギー・運動量写像 / ディラック振動子 / 写像度 |
研究成果の概要 |
量子系のパラメータ変化に伴うエネルギー固有値の変化を継続して研究した。大部分の(バルク)の固有値は、パラメータが変化しても同じバンドに属するが、一部の(エッヂ)固有値は属するバンドを変える。その特徴はスペクトル流の概念で捉えられる。量子系に対応する半量子系のハミルトニアンの固有値は、いわゆる古典極限の操作で、量子系の大部分の固有値に対応するとみなされる。半量子系のハミルトニアンが2次元の球面やトーラス上で定義されているとき、その固有値の固有空間のなす複素直線バンドルのチャーン数がパラメータ変化に伴って変化する。その変化量がスペクトル流に一致すること(バルク・エッヂ対応)を多くの例で示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取り上げたバルク・エッヂ対応は、近年トポロジカル絶縁体なとの多くの物理現象で興味を持たれているテーマであるが、単に現象論ではなく、数学的にも量子化の問題に深く関連していて、微分幾何学(チャーン数)と解析学(スペクトル流)にまたがる話題である。実際にこのような対応は量子力学の範囲にとどまらず、もっと一般的な枠組みで、例えば古典物理学のマクスウェル方程式においても、研究され始めている。それは物理的な言い方では、力学変数を速い変数と遅い変数に分けること、あるいはスペクトル密度の高い変数(解析)と低い変数(微分幾何)に分けて扱うという考え方になる。このような背景のもとで本研究は意義深い。
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