研究課題/領域番号 |
18K03346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
織田 寛 拓殖大学, 工学部, 教授 (20338619)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | リーマン対称空間 / ベクトル束 / プランシェレル測度 / ヘックマン・オプダム超幾何関数 / ミニスキュルKタイプ / 球変換 / 超幾何フーリエ変換 / 量子可積分系 / 変数分離定理 / ベクトル値超幾何関数 / 調和解析 / 球関数 / 超幾何関数 |
研究成果の概要 |
ユークリッド空間上の関数を指数関数の和に分解するフーリエ変換の理論は,リーマン対称空間上のベクトル束の切断を「基本球関数」の和に分解する「球変換」に一般化される.球変換に対する基本的な問題は「逆変換公式」と「プランシェレル測度」の決定だが,それらは非常に限られた場合のみ解決していた.研究期間が始まる直前,関西学院大の示野氏と私は,ベクトル束のファイバーが「スモール」という種類である場合に,基本球関数をヘックマンとオプダムの超幾何関数で表す公式を導き,上の問題を解決した.研究期間中我々は,ベクトル束が一階の不変微分作用素を持ち,ファイバーが「ミニスキュル」という種類の場合にその結果を拡張した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物理系の状態は時空間上の関数ではなく,ベクトルを値に取る関数のようなもの(ベクトル束の切断)で表されることが多い.我々はベクトル束が一階の不変微分作用素を持ち,ファイバーが「ミニスキュル」の場合の調和解析を確立したが,スピンに対するベクトル束はその適用範囲に含まれる(ファイバーはスピン表現でミニスキュル,一階の不変微分作用素はディラック作用素). 一方,ヘックマンとオプダムの超幾何関数およびそれが満たす量子可積分系の理論は十分成熟しているのにもかかわらず,これまでほとんど応用がなかった.我々が今回用いた手法により,対称空間の調和解析の結果を導く際,これらの理論が強力なツールになることが示された.
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