研究課題
基盤研究(C)
太陽系の勢力範囲(太陽圏)は、太陽系の外側の領域(星間雲)と太陽から放出されるプラズマの流れ(太陽風)の圧力バランスによって決定される。星間雲起源の侵入物質を同定することによって太陽圏内から星間雲の状態を推測でき、太陽圏の現在・過去・未来を考察することが可能となる。本研究では、「ひさき」衛星による極端紫外線観測により、2015~2022年の星間物質の侵入方向を導出し、過去40年間の他衛星観測と比較して、風向は誤差の範囲内で一致し、太陽風と星間雲のバランスは現状は大きな変化はないという結論を得た。
太陽圏と星間雲は相対運動をしているため、将来的には太陽圏は現在所属する星間雲から隣の星間雲へ移動すると考えられている。本研究は太陽圏内での極端紫外分光観測から中性ヘリウムの散乱光成分を選別し星間雲ヘリウムの物理パラメータを同定する方法であり、約40年前から行われている伝統的な方法である。同じ観測手法で導出した星間雲パラメータを比較・議論することが可能なため、太陽圏と星間雲の相対運動を長期間にわたり観測的に明らかにすることが可能である。
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