研究課題
基盤研究(C)
本研究は,北西太平洋海域の代表的年代モデルを構築するために,房総半島に分布する上総層群の一部を研究対象とし,石灰質ナノ化石,浮遊性有孔虫化石,および酸素同位体比の測定を行った.その結果,大田代層と黄和田層の大半について従来の結果をはるかに上回る詳しいデータを収集することができ,北西太平洋のセクションを対象として約110万年から70万年前頃にかけての年代モデルを初めて構築することができた.併せて同時期の表層海洋環境の議論も行うことが可能となり,北西太平洋海域の更新世海洋環境についての理解がいっそう進むことが期待できる結果となった.
本研究で構築した新しい年代モデルは,とくにこれまでデータの空白地域であった北西太平洋海域の更新世における地球科学的研究を行う上で,重要な年代学的基盤となる.また,評価された石灰質微化石の基準面は,最新の年代が付けられることとなった.この年代モデルはこれまでよりも詳細な年代決定を可能にするため,様々な地域の地層の年代決定に適用されることにより,地層の形成過程をこれまでよりも詳しく復元することが可能になる.
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巻: -
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 7 号: 1
10.1186/s40645-020-00355-x