研究課題
基盤研究(C)
銀河宇宙線量と下層雲量の正の相関は雲の日傘効果を介した地磁気と気候のリンクを示唆する。それは、地磁気逆転期に起きた寒冷化、気温年較差増大、冬季モンスーン強化で実証された。本研究では、千葉セクションコアTB2から取得した宇宙線生成核種10Beの数百年スケールの変動と生物生産量(気温の指標)が逆相関を示すことを発見し、太陽活動も気候を制御する可能性があることを明らかにした。また、水月湖年縞堆積物コアSG14から取得した地磁気エクスカーションの高解像度記録を使って、Δ14Cは大気海洋循環によって宇宙線量変化の50~400年遅れで変化し、その遅れは変化の波長に依存することを明らかにした。
1996年にスベンスマルク効果(銀河宇宙線量と下層雲量の正の相関)が発見されて以降、半世紀以上続く“地磁気と気候のリンク”に関する研究は理論的根拠を得たことでブームが巻き起こった。その結果、地磁気逆転期に寒冷化をはじめ雲の日傘効果で予想される気候変化の証拠が次々と得られ、研究は大きく前進した。本研究は、地磁気同様銀河宇宙線を制御している太陽活動もスベンスマルク効果を介して気候に影響を及ぼすことを明らかにした。これにより、宇宙線が地球の気候に普遍的に影響を及ぼす可能性が一段と高まり、将来の地球の温暖化や寒冷化の予測において考慮すべき重要な気候要素となった。
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