研究課題/領域番号 |
18K04715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
菊川 直樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 主幹研究員 (00442731)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Sr2RuO4 / 超伝導 / 単結晶育成 / ルテニウム酸化物 / 高品質単結晶育成 / 相図 / 超伝導対称性 / 超伝導相図 / 高品質単結晶 / 磁場-温度相図 / 磁場ー温度相図 |
研究成果の概要 |
Sr2RuO4における異方的超伝導状態の本質的な理解を深めるため,当初は磁場-温度相図に着目した研究をおこなった.まず,育成方法の改善によりSr2RuO4の高品質かつ大型単結晶育成に成功した.これらを用いた研究により,Sr2RuO4の超伝導は,従来提唱されていたスピン三重項対ではなくスピン一重項対であることが決定的となり,四半世紀ぶりの転換をもたらすこととなった.一軸圧力下での研究と有機的に組み合わせることで,2成分からなる超伝導秩序変数や磁気秩序の発見に結びついた.磁場-温度相図については「新しい相」の解釈に強い制限を与えることができ,超伝導秩序変数決定に向けさらなる研究へつながった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Sr2RuO4 は常伝導状態がフェルミ液体的挙動を示し,擬2次元的な多バンドの電子構造(フェルミ面)も詳細にわかっていることから,数ある強相関電子系物質の中でも典型的な物質の一つと考えられている.一方で,このような電子状態が舞台となって発現する超伝導については,数多くの研究がなされ四半世紀が経過するものの,まだ系統的な理解には達していないのが現状である.超伝導転移温度は1.5ケルビンと低いものの,Sr2RuO4における異方的超伝導について矛盾なく理解することは,電子間の相互作用が強いことが本質である物質系で発現する異方的超伝導の普遍的枠組み構築に向けて貢献できる.
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