研究課題/領域番号 |
18K05005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
鳴海 一雅 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先進ビーム利用施設部, 次長 (90354927)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 阻止能 / C60イオン / スパッタリング / 二次電子放出 |
研究成果の概要 |
従来の重イオンをはるかに超える高密度エネルギー付与のツールとしてビーム利用の拡大が期待されるフラーレンイオンについて、ビーム利用研究が拠って立つ阻止能に密接に関わるスパッタリング収量を、金及び非晶質炭素について核的衝突が支配的な速度領域において初めて系統的に測定した。その結果、C60、C70イオンによる金のスパッタリング収量はそれぞれCイオンの場合の120~240倍、140~280倍程度になった。また、シミュレーションとの比較により核的衝突に由来することがわかった。非晶質炭素の場合には、核的衝突が支配的な速度領域にもかかわらず、観測されたスパッタリングは電子励起に由来することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオンビーム利用研究は理論・実験両面での膨大な阻止能データ及びそれに密接に関連する物理量の蓄積の上に成り立っている。研究開始当初はフラーレンイオンにはそのようなデータがほぼ存在していなかった。本研究は、C60、C70イオンによる金及び非晶質炭素のスパッタリングについて、同じ速度領域におけるCイオンと比較できる形で系統的に観測結果を提示したことに、上記の観点で大きな意義がある。また、金属同様に電気伝導性を持つ非晶質炭素において、核的衝突が支配的な速度領域で電子励起に由来するスパッタリングのみが観測されることを示したことは、イオンビーム・固体相互作用研究の常識を覆しかねない成果である。
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