研究課題/領域番号 |
18K05402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
笹野 佑 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (90640194)
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研究分担者 |
田口 久貴 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (90212018)
原島 俊 崇城大学, 生物生命学部, 特任教授 (70116086)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 酵母 / ゲノム工学 / 染色体工学 / 染色体異数性 / 次世代シーケンサー / CRISPR/Cas9 |
研究実績の概要 |
最終年度は以下の成果が得られた。 申請者が自然界より分離した出芽酵母Saccharomyces cerevisiae AH465株は自然分離株であり何らの育種処理を施していないにも関わらず、最高42.5℃という高温で生育することができる株である。本株の高温耐性を司るゲノム機構を解明するため、本株のドラフトゲノム配列をNanopore MinIONにより決定した。本株は、実験室酵母株と比較して染色体レベルでの構造変異が多く見られた。高温耐性の要因となる構造変異について解析を継続中である。 研究期間全体を通じて、以下の成果が得られた。 ゲノム編集技術CRISPR/Casをゲノム工学技術に応用し、複数のターゲット遺伝子を迅速に改変するgRNA-TES法を開発した。出芽酵母において染色体部分異数体を部位特異的に作製する技術である、CRISPR-PCD法およびCRISPR-PCRep法を開発した。同じく出芽酵母において、任意の染色体部位を新しい染色体として重複させる技術である、CRISPR-PCDup法を開発した。さらに本法の発展技術として、任意領域を重複する際の細胞内での存在形態を染色体ではなく、染色体外環状DNA(eccDNA)として重複させる技術を開発した。これによりプラスミドでは保持が困難なほど長大な遺伝子領域であっても非染色体因子として安定的に細胞内に他コピーで保持される技術(CRISPR-eccDNA)を開発した。開発したこれらの染色体工学技術を用いて、出芽酵母において既知の必須遺伝子を含まないにも関わらず欠失が不可能な領域について解析し、未知の合成致死遺伝子ペアを発見する実験手法を開発し、実際に合成致死遺伝子ペアを同定した。 本研究課題の遂行により、出芽酵母において望みの染色体構造を持つ菌株を効率的に育種する技術を開発した。本成果は合成生物学分野の進展に寄与したといえる。
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