研究課題
基盤研究(C)
近年、ゲノムの転写産物のうち、かつてはジャンクと考えられていたnon-coding RNA(ncRNA)も機能性を持つことが示され、生体応答の新側面を捉えることが可能となった。本研究では食品の機能性評価にncRNAの解析を新規導入し、より詳細なトランスクリプトミクスへと発展させることを目指し、食餌性の鉄の過不足条件を例に解析を実施した。その結果、ncRNAも食餌の違いに機敏に応答すること、本条件下においては、鉄の主要貯蔵臓器である肝臓よりも血液における変動が顕著であることを捉えた。すなわち食に応答するマーカー分子として、coding RNAに加え、ncRNAを活用することの有効性が示された。
生体内の変化を広く捉える方法はオミクス(omics)であるが、変化の初期段階を評価し、網羅性や感度の高い手法のひとつがトランスクリプトミクスである。この特性から、生体内の僅かな変化の検出が必要とされる食品の機能性評価においてはmRNAの解析が活用されてきた。一方、ncRNAは、がん等の疾病で顕著に応答して変動することが明らかにされているが、食品摂取に対する応答についての報告はほとんどなかった。本研究では、食品の機能性評価にncRNAの解析を導入し、食餌条件の違いに明確に応答することを捉え、評価ツールとしての有効性を示した。今後、食品の機能性評価における活用・展開が期待される。
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Nutrients
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10.3390/nu12020449
Nutrition and metabolism
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