研究課題
基盤研究(C)
イネは栽培化において種子脱粒性が抑制されたが、関与した遺伝子の全容は詳しくわかっていなかった。本研究では、野生イネOryza rufipogonを活用し、ジャポニカ・インディカ・AUSの栽培イネの非脱粒性に関与する新規遺伝子座を遺伝学的に同定することを目的とした。ジャポニカイネ日本晴を用いた解析からはqCSS3遺伝子座(QTL for the Control of Seed Shattering in rice on chromosome 3)を、またインディカイネIR36を用いた解析からqCSS2とqCSS7遺伝子座を、AUS栽培イネカサラスを用いた解析からは新たに3つの遺伝子座を同定した。
栽培イネが持つ非脱粒性に関与した遺伝子座は、2006年に報告されたsh4とqSH1が知られていたが、他の遺伝子座は報告されていなかった。これまでの研究において、既知の脱粒性遺伝子座を栽培イネの染色体断片で置換した野生イネを交雑によって作出し、これと栽培イネを再び交雑することで、既知の遺伝子座が遺伝的に固定した分離集団を作成した。本研究ではこれらの遺伝解析を進め新規の脱粒性遺伝子座の同定とそれらの効果検証に成功した。これら新規遺伝子座の原因変異の同定はイネの栽培化過程の解明に役立つ。また、栽培イネの脱粒程度を遺伝学的に調節する育種にも応用できる可能性が考えられ、イネの収量性の向上が期待される。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
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