研究課題
基盤研究(C)
鋭利に加工した金電極の先端で生じる局在表面プラズモン効果を利用した1分子イメージングを試みた。電極は金の細線先端を電解研磨して作製したが、作製効率を上げるため、自動研磨装置を作製した。量子収率が低い蛍光色素を用いて蛍光観察を行い、蛍光色素1分子を観察した。また、電極表面を親水性に改変し、電極表面に人工脂質二重層膜を形成することに成功した。この人工膜を用いて、チャネル蛋白、チャネル形成ペプチド、ポア形成トキシンの単一チャネル電流解析に成功した。上記の人工膜法によって、チャネル電流計測を従来法に比べて著しく効率化することに成功し、ロボットを用いた自動計測も可能となった。
チャネル蛋白は機能の1分子解析(単一チャネル電流解析)が最も進んだ蛋白である。各々のチャネルに対して、詳細な状態遷移モデルが提案されており、本研究の成果はモデルの直接検証手段を与える。また、チャネルは1分子のリガンド結合と機能の相関を高時間分解で観測できる蛋白であり、計測によって得られた知見を蛋白一般の分子機構の理解に拡げることも可能となる。また、チャネル蛋白は膜のイオンの透過性を制御することよって、多岐に渡る生命活動おいて重要な役割を果たしている。チャネル蛋白一般の活性化分子機構を詳細に知ることは、科学的な興味に止まらず、医療、創薬などの分野においても重要である。
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