研究課題
基盤研究(C)
細胞質から核への情報伝達は、一般的に核膜孔を介したタンパク質輸送により行われることが知られている。一方、核膜には多様な膜タンパク質が存在しており、それら膜タンパク質の構築変化等により、情報が伝達される可能性も考えられる。本研究では核膜に局在し、細胞内外の力学刺激を核へ伝達することが知られているLINC複合体に焦点をあて、核膜タンパク質による情報流通システムの解明に取り組んできた。その結果、LINC複合体は核内の核小体構築に関与すること、また細胞質のゴルジ体構築制御にも機能すること、さらに放射線照射によって誘発される細胞運動活性化にも寄与することも明らかにした。
細胞核は、遺伝情報の維持と複製、遺伝情報発現の出発点である転写を行うオルガネラである。本申請研究では、核膜に存在し、LINC複合体と呼ばれるタンパク質複合体の機能解明に取り組んだ。LINC複合体は、核内において核骨格と、細胞質において細胞骨格と結合し、細胞内における核の位置決定や、メカノトランスダクション、DNA修復、染色体動態の制御、細胞運動など多岐にわたる生理機能と、ある種の筋ジストロフィーや早老症、聴覚障害など組織を限定しない多様な疾病の発症に関与する。そのためLINC複合体が担う機能を明らかにすることはそれら発症機序の解明、治療法の開発へ繋がると期待される。
すべて 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件) 図書 (1件)
Sci Rep.
巻: 11 号: 1 ページ: 5358-5358
10.1038/s41598-021-84750-4
Genes to Cells
巻: 11 号: 11 ページ: 730-740
10.1111/gtc.12807
巻: 25 号: 5 ページ: 334-342
10.1111/gtc.12760
Mol Biol Cell
巻: 31 号: 6 ページ: 478-490
10.1091/mbc.e19-08-0456
Genes Cells
巻: 24 号: 4 ページ: 272-283
10.1111/gtc.12672
Cells
巻: 8, pii 号: 2 ページ: 124-124
10.3390/cells8020124
Cancer Science
巻: 109 号: 4 ページ: 1158-1165
10.1111/cas.13545