研究課題/領域番号 |
18K06278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 真幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (80546292)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | リボソーム / ホウ素 / uORF / AUGUAA / mRNA分解 / mRNA分解 / 転写後制御 / シロイヌナズナ |
研究成果の概要 |
本研究では、5'非翻訳領域に存在する開始コドン-終始コドンという、アミノ酸をコードしない配列AUG-UAA上でホウ素依存的にリボソームの翻訳停滞が起こる仕組みを明らかにすることで、これまでにないリボソームの停滞制御機構を解明することを目的とした。低温電子顕微鏡によるリボソームの構造解析と生化学実験から、ホウ素はAUG-UAAのストップコドンで翻訳終結する際にリボソームのAサイトに結合する翻訳終結因子eRF1を安定化させ、ペプチドの加水分解を促すことで、翻訳終結を促進することに働いていることが示唆された。また、スクリーニング解析により、NIP5;1の発現制御に関わる因子をみつけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、開始コドンと終止コドンしかない最小ORFはペプチドが無く、機能を持つとは考えられてこなかった。しかし、申請者の研究から、AUG-UAAを介したホウ素濃度依存的なリボソーム停滞による翻訳制御機構が明らかになった。この制御は、リボソームを停滞させ、翻訳を止める仕組みではなく、AUG-UAAでの翻訳を終結させるために、ホウ素が補助因子として関わっている、これまでにない新しい翻訳終結の仕組みであった。この発見は、タンパク質合成は実は翻訳終結の段階で様々な化合物によって制御されている可能性を示唆するものである。申請者の発見ははタンパク質の翻訳制御機構に新たな分野を拓いたと考えられる。
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