研究課題
基盤研究(C)
生体材料として、シャジクモの生態型が異なる複数の系統株を用いた。突然変異原としてEMS(エチルメタンスルホン酸)を用い、シャジクモの葉状体をEMS水溶液に浸漬し変異誘発するための条件検討を実施した。条件検討を重ねた結果、葉状体の形態変異を示す株を単離することができた。また、長期培養株の中から、正常な形態を示さない変異体と思われる株を発見した。これらの形態変異を示す株について詳細な表現型解析、野生株との交配実験、ゲノム配列の比較を進めた。さらに、シャジクモにおける恒常的な遺伝子導入系を確立するため、栄養繁殖器官から葉状体が再生する過程を詳細に解析し、遺伝子導入の実験に関する条件検討を実施した。
陸上植物とシャジクモ藻類の多細胞体制の発生システムにどのような違いがあるのかを特定し、植物多細胞体制の進化過程を解明するためには、単なるゲノム配列比較では不十分であり、シャジクモ等の多細胞体制を持つシャジクモ藻類において遺伝子機能解析を行うことが必要不可欠である。本研究で得られたシャジクモにおける変異体の遺伝学的解析、遺伝子導入に関する知見は、シャジクモでこれまで困難であった遺伝子機能解析を実現するための糸口となると期待される。
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