研究課題/領域番号 |
18K06388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
山田 晋之介 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (30772123)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 節足動物 / 貝形虫類 / 大顎類 / カンブリア紀 / 貝形虫 / 外骨格 / 大顎 / 超微細構造 / 背甲 / 筋-骨格系 |
研究成果の概要 |
現生貝形虫6上科における大顎咀嚼部のSEM観察を完遂し,これらの貝形虫類を素材に用いて,大顎咀嚼部におけるTEM観察の手法を確立し,内在する感覚神経系を把握することができた.また,光学顕微鏡連続切片から大顎筋-骨格系の立体再構築にも成功した.これらの観察結果から,貝形虫類の大顎は「最適化された切歯群」「多数の感覚子」「強靱な内転筋と外転筋」「強固な支点」を持ち,二枚殻節足動物の中では例外的と言える“噛むことができる大顎”を達成しており,これは広範な食物選択を可能にすると同時に,背甲の開殻運動にも活用されていることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,貝形虫類という微小甲殻類をモデルとして,二枚殻節足動物が如何にして“物を噛む”という基本的動作を達成しているかを明らかにした.本分類群の大顎と形態的に酷似した化石が,後期カンブリア紀の地層から産出している事実は,初期カンブリア紀に出現したとされる節足動物の大顎類は,後期カンブリア紀までに現生種と比肩するレベルの大顎咀嚼系を構築していたことを示す.我々脊椎動物の祖先がカンブリア紀に出現し,デボン紀に顎を獲得するまで3億年近い年月を要した事実と対比すると,節足動物に生じた「大顎革命」は,まさに異例と言える進化的イベントであることが,本研究成果によって明確に浮き彫りとなった.
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