研究課題/領域番号 |
18K06415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 哲史 京都大学, 理学研究科, 助教 (10643257)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 季節適応 / 休眠 / ゲノム / 種分化 / 適応進化 / 冬尺蛾 |
研究成果の概要 |
新しい生物種が誕生するプロセスを解明することは、進化生物学のもっとも重要な課題といえる。本研究では日本国内で新種形成のプロセスが進んでいると考えられるクロテンフユシャクの初冬型と晩冬型を対象に、飼育実験により両型が羽化タイミングを決定する機構を解明した。さらに高い精度のゲノムアセンブルを構築し、初冬型と晩冬型で羽化タイミングの違いに関連している遺伝子がZ染色体と考えられる染色体上に集中していることを明らかにした。本成果により、新種形成プロセスにおいては、自然選択だけでなく、ゲノム上の遺伝子位置など物理的な要因も重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Inurois属蛾類には初冬型と晩冬型が存在し、これらは繰り返し進化してきた。また初冬型と晩冬型は繁殖季節が異なるために互いに交尾できない。クロテンフユシャクは種内に初冬型と晩冬型が存在し種が分化する過程にあると考えられる。本種のゲノムを研究し、種分化に関わる遺伝子およびそれらのゲノム上の位置を明らかにした。生物進化では自然選択が重要な役割を果たすが、ゲノム上の遺伝子の位置によって進化可能性が変化するものと考えられる。本研究では、種分化に関連する遺伝子が同一染色体上で物理的に連鎖していることを明らかにするなど、属内で両型が繰り返し進化した背景にゲノム構造が関与している可能性を示した。
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