研究課題
基盤研究(C)
難水溶性薬物の溶解性を劇的に改善する手法として非晶質ナノ懸濁液が注目されている。しかし非晶質ナノ懸濁液の調製そのものが困難であることに加えて、その構造・分子状態をダイレクトに評価する分析法は確立されていない。本研究では、貧溶媒法、湿式粉砕法、非晶質固体分散化を用いて3種類の非晶質ナノ懸濁液の調製に成功した。さらに顕微鏡法及び分光法の応用測定を適用することで、得られた非晶質ナノ懸濁液の構造及び分子状態を評価し、その形成・安定化メカニズムを精密に解析した。
近年開発されている医薬品候補化合物の70%~90%は難水溶性であり、溶解性を改善する製剤技術が切望されている。本研究で得られた知見は、溶解性改善手法として期待されている非晶質ナノ懸濁液の形成・安定化メカニズムに新しい知見を与えるものである。今後益々求められていく非晶質ナノ懸濁液製剤の開発において本研究が新しい指針となり、高品質の医薬品製剤の創生に役立つものと期待される。
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