研究課題/領域番号 |
18K06639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
山崎 正博 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (80328921)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 臭化難燃剤 / アセトアセチルCoA合成酵素 / 脂肪細胞 / 褐色脂肪細胞 / ケトン体利用経路 / アセトアセチルCoA合成酵素(AACS) / ケトン体 / 脂肪組織 / 環境因子 |
研究成果の概要 |
近年、環境由来物質である臭化難燃剤が肥満とそれに伴う代謝異常に関与する可能性が報告されている。申請者らが見出したケトン体利用酵素(AACS)は、脂肪細胞の肥大化や食事誘導性肥満に関与することが明らかになっている。本研究では、広く使用されている臭化難燃剤であるTBBP-Aが培養脂肪細胞に与える影響を検討した。その結果、TBBP-Aは未分化な脂肪細胞の脂質ケトン体利用経路を活性化し、同時に褐色脂肪細胞徳的因子の誘導とケトン体放出量の上昇をもたらした。これらの結果は、臭化難燃剤TBBP-Aがケトン体利用経路と脂質分解の双方に影響を与え、そのバランスを乱す環境由来物質である可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、臭化難燃剤として広く使用されているTBBP-Aが、脂肪細胞の脂質-ケトン体に代謝に影響を与える環境由来物質である可能性が明らかとなった。また、その指標が従来は脂質代謝の余剰物質としてしか見られていなかったケトン体であること、申請者らのグループが独自に見出したケトン体利用酵素AACSがそれに深く関与することは、本研究の独自性を示すとともに、既存の研究グループでは明らかにし得なかったデータを多く含んでいることを示している。従って、今回明らかになったTBBP-Aの新たな作用の詳細な検討は、環境汚染が人間にもたらす新たなリスクを解明していくうえで、極めて大きな社会的意義があると考える。
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