研究課題
基盤研究(C)
難治性のネフローゼ症候群である巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、高率に腎不全に移行する。また腎移植後早期にFSGSが再発し、移植腎機能が早期に廃絶することがある。再発を認めるFSGSは一次性FSGSに限られ、腎臓の濾過本態である糸球体の構成蛋白の遺伝子変異による遺伝性FSGSや、腎低形成などに対する代償破綻の結果生じる二次性FSGSではほぼ再発しない。このためFSGSの病因分類の確定は、腎移植に臨む上で極めて重要である。本研究では、臨床的情報や遺伝子検査結果、腎生検の情報を統合し解析することで、腎移植後再発しうる一次性FSGSを鑑別診断し、腎移植に至るまでの適正な治療戦略の決定に寄与した。
本研究は、小児末期腎不全の原因の第2位である巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)について、その病因分類(一次性、遺伝性、二次性)によって層別化することで、発症後から腎移植までの適正な長期治療戦略の確立に寄与することが期待できる。一次性FSGSでは腎移植前に再発予防処置を講じることで腎移植後の原病再発の抑止と移植腎機能予後の改善が期待でき、一方で遺伝性FSGSや二次性FSGSでは不要な免疫抑制薬の投与を回避することが可能となる。このことで、限られた腎移植ドナー資源を、特に献腎移植について効率的に活用できることに貢献し、さらに医療経済負担の軽減に寄与するものと考えられる。
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