研究課題
基盤研究(C)
新規抗マラリア薬候補として見出された過酸化物・N-89及びN-251を徐放化可能な経皮吸収型製剤として製剤学的工夫を行い、抗マラリア製剤としての有用性を高める知見を得た。軟膏基剤としてpolyethylene glycol (PEG) 400とPEG4000を8:1の割合で配合した基剤を最終的に選抜し、この条件でN-89を含む PEG軟膏製剤を用いて動態解析と薬効評価を行った結果、60 mg/kg の N-89を含む軟膏製剤を1日2回の3日間の4Cm2塗布することで優れた抗マラリア薬効と完治効果が得られた。1.5%以上の感染率を示す実験系では既存抗マラリア薬との併用が望まれる。
マラリアによる死亡の9割は5歳未満の乳幼児である現状から、経口投与による治療は難しく、注射器等を用いる治療は現地の状況を鑑みて、推奨出来ない。我々は経口投与で優れた抗マラリア薬効と完治効果を示す新規抗マラリア薬候補として見出した有機合成化合物・ N-89, N-251が非侵襲性で乳幼児へのマラリア治療に適用可能であることを見出した。即ち、N-89とN-251の薬効を長期間持続しながら副作用が発現した時に対処しやすい剤形である経皮吸収型製剤が in vivo 実験でマラリアを完治することを明らかにした。この結果は単剤で安価でかつ簡便に重症マラリアで死亡するアフリカの乳幼児の救命に貢献できる。
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