研究課題
基盤研究(C)
本研究は、マウス赤血球型マラリア感染時における記憶B細胞の生存維持の場の可視化とそのサブセットの同定を目的としている。本研究では、群馬大学生体防御学講座にて作製されたGFPとOVAを発現した赤血球型マウスマラリアを使用し、マウスの生体内で可視化する系を用いた。OVA特異的TCR-TgマウスのT細胞を嫡子移入したマウスに、OVA-GFP-マラリアを感染させ、IFNγを発現する細胞とOT-I、OT-II T細胞の免疫応答を時系列で解析した。その結果、OVAに対する免疫応答も抗体もほとんど検出されなかった。免疫記憶の応答(二次応答)もOVAに対する免疫応答はごく弱いという結果 となった。
寄生虫であるマラリアは、免疫応答から逃避する様々な機構を持っている。本研究は、ワクチン効果の基礎となる免疫記憶成立の場の同定とそれに関わる重要な記憶B細胞サブセットの同定を当初の目的としていた。マラリアに対する免疫応答を可視化するために用いたOVA-GFP- マラリアを使用し、OVAをマラリアの新たな仮想抗原としたが逆に、マラリアの免疫回避の新たな機構となることが判明した。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Transpl Immunol.
巻: 55 ページ: 1-9
臨床寄生虫誌
巻: 30 ページ: 77-79