研究課題
基盤研究(C)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス(SFTSV)によるSFTSに対して、特異的な治療薬やワクチン等はまだ確立されておらず、こうした抗SFTSV薬の研究や開発は喫緊の課題であると思われる。本研究では、組換え水疱性口内炎ウイルス(VSV)や一回感染性SFTSV擬似粒子(SFTSV-SRIPs)を用いて感染を防御できるような抗体医薬品の開発を試みた。その結果、ISAAC法を用いることで、免疫マウス脾臓細胞から大量に人工抗体を作製することができた。また、SFTSVシュードタイプウイルスを用いて中和活性の高い、GnとGcに対するカクテル抗体を選定することができた。
現在まで、特異的な治療薬がないSFTSに対して本研究において確立できたカクテル抗体は、これまでになく強固に感染を中和することができるもので、今後、抗体製剤として製品化出来ればSFTSの治療薬としても使えるため社会的意義は大きい。また、本研究で用いた組換え水疱性口内炎ウイルスや一回感染性SFTSV擬似粒子などは免疫抗原としての利用が可能であることが明らかとなり、今後、他のウイルス感染症における抗体医薬品の開発にも応用が効くことがわかり学術的意義もあると思われる。
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