研究課題
基盤研究(C)
本研究では、大腸癌のモデルマウスを用いて大腸癌の腫瘍微小環境における好中球の腫瘍促進能の解明を試みた。好中球は感染防御の観点から必須な宿主細胞である一方、担癌患者においては、腫瘍を促進する方向に働くことが知られている。好中球の感染防御機能を維持しつつ、腫瘍促進能のみを抑制することで、副作用の少ない治療法の確率につながると考えた。大腸癌の分類のなかで、CMS4と呼ばれる予後が悪く抗VEGF抗体が効きにくいものでは、腫瘍周囲に好中球が多く集族し、好中球由来の血管新生因子Bv8が分泌されていた。抗VEGF抗体治療に加えて、抗Bv8抗体治療も追加することで、CMS4型のマウス大腸癌の進行が抑制された。
CMS4大腸癌は予後不良で、大腸癌治療のキードラッグの抗VEGF治療に抵抗性を示すことが知られている。今回我々の研究では、CMS4大腸癌の抗VEGF治療耐性に好中球が深く関与すること、好中球由来の血管新生因子Bv8をVEGFとともに阻害することで、抗VEGF治療耐性が解除されることを、自然発生大腸癌マウスモデルを用いることで、より実臨床に近い環境で解明した。本邦において、大腸癌はがん死亡数では肺癌に次ぐ2番目の死亡数で、最新がん統計によると2019年は約5万人が大腸癌で死亡したとされる。本研究結果が臨床応用されれば、これらの患者の治療に有用である可能性がある。
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