研究課題/領域番号 |
18K07242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
堺 隆一 北里大学, 医学部, 教授 (40215603)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経芽腫 / Src / パキシリン / p130Cas / dasatinib / Srcファミリーキナーゼ / 細胞運動能 / 細胞増殖能 / キナーゼ阻害剤 / Srcキナーゼ / RNAi / チロシンリン酸化 / キナーゼ阻害薬 / Alk / チロシンキナーゼ |
研究成果の概要 |
本研究では神経芽腫由来の細胞を用いて、Srcキナーゼやその基質分子が神経芽腫の悪性化のプロセスにおいてどのような役割をしているかの解析を進めてきた。Srcキナーゼ阻害剤を用いた解析では、神経芽腫におけるSrc経路の阻害が、細胞増殖よりも細胞運動について最も顕著な効果を示すことが明らかになった。これらの阻害剤の中でもdasatinibの細胞運動抑制効果が最も強く、10nM程度の低濃度で見られた。この濃度でパキシリンやCasなどのSrcの基質のリン酸化が抑制されていた。一方でsiRNAによるSrc基質群の発現抑制を試みたが、発現抑制による細胞増殖能や細胞運動能に対する影響は限定的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経芽腫は小児腫瘍の一つとしてがん遺伝子の活性化を引き起こす変異に乏しいにも関わらず高頻度で転移が見られ、また一方で1歳未満で発症する例では自然退縮を起こす症例があることから、転移に関わるチロシンキナーゼであるSrcファミリーの可逆的な活性化が関わっていることを考えている。Src阻害剤は神経芽腫の運動能や浸潤能を選択的に阻害し、増殖能に対する影響は限定的であることから、神経芽腫においても転移などの悪性化に関わる性質にSrcファミリーキナーゼが関わることが示唆された。将来的に進行した神経芽腫に対する適切なSrc阻害剤が有効である可能性が示された。
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