研究課題
基盤研究(C)
Cyr61はβ1インテグリンに結合することで疼痛を誘発する。本研究では,インテグリンβ1小分子拮抗薬の開発を目指した。Cry61-インテグリンβ1結合モデルを利用したin silicoスクリーニングにより候補化合物を10化合物選出し,in vitro阻害活性により1つの化合物(F)が得られた。しかしながら化合物Fは強い鎮痛効果を示さなかった。そこで既存のペプチド性拮抗薬と化合物Fとのキメラ化合物をデザインし,阻害活性の強い化合物Kの獲得に成功した。化合物Kは化合物Fを上回る鎮痛作用を示した。今後,さらに強力な鎮痛作用を持つ化合物の獲得を目指し,化合物Kの誘導体化合物の合成に取り組む予定である。
Cyr61の痛み慢性化への関与に関する研究は,国内外において我々の研究グループしか行っておらず独自性・新規性は非常に高い。新規鎮痛薬の開発においてターゲット分子の探索研究に限界が生じている現状において,われわれが着目しているCyr61-β1インテグリン系を標的とした創薬は,新薬開発に大きな風穴を開けることができると考えている。本研究において,新規インテグリン阻害化合物の獲得に成功した。引き続き本研究を遂行し成し遂げることで,超高齢化社会の到来と共に,今後本邦で大きく増大することが予想される慢性疼痛患者の福祉に大きく貢献できると考えている。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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