研究課題/領域番号 |
18K07395
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
石井 さなえ 杏林大学, 保健学部, 准教授 (40435863)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 鼻腔炎症 / 嗅球 / 精神疾患 / 脳と免疫 / 腸内細菌 / 脳 / ミクログリア / 免疫細胞 / うつ的行動 / 性差 / 嗅覚神経回路 / 嗅覚系神経回路 / 脳微小環境 / 嗅球萎縮 / ニューロンの変性と再生 |
研究成果の概要 |
慢性的な鼻腔炎症は精神神経疾患のリスクを高める。その機構解明を目指す第一歩として、鼻腔炎症と嗅覚入力遮断が嗅球に及ぼす影響を比較した。マウスを用いた実験の結果、前者は嗅球の外側が、後者は内側が萎縮した。前者は神経炎症を伴ったが後者は伴わなかった。また、炎症が収束すると嗅球は回復したが、回復には嗅覚入力を必要とした。次に鼻腔炎症が脳腸連関に及ぼす影響を調べるため、慢性鼻腔炎症マウスの盲腸便を用いて16Sメタゲノム解析を行った。その結果、慢性鼻腔炎症によりオスでは腸内細菌叢が顕著に変動した。以上より、鼻腔炎症は脳及び腸内細菌叢の恒常性を乱し、精神神経疾患発症に寄与する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嗅球の萎縮は、副鼻腔炎、アルツハイマー病、うつ病、不安障害などの患者で見られ、嗅覚障害の原因となり、患者の生活の質を低下する。本研究は、鼻腔炎症と嗅覚刺激遮断の嗅球における影響の違いを明らかにし、鼻腔炎症による嗅球の萎縮は、炎症が治まり嗅覚刺激が戻れば回復する可能性を示した。また、鼻腔炎症が脳及び腸内細菌叢を乱すことを明らかにし、精神神経疾患発症の原因となる可能性を示唆した。
|