研究課題/領域番号 |
18K07731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
宿里 充穗 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (20525571)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / 酢酸代謝 / 糖代謝 / イメージング / グリア細胞 / PET / エネルギー代謝 |
研究実績の概要 |
本研究では、脳エネルギー代謝のPETイメージングにより多発性硬化症(MS)診断が可能であるかについて、MSの病態研究に使用されることの多い実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルラットを用いた評価を進めている。これまでに、C-14 Acetateが単相性のEAEモデルラットの神経症状が出現するよりも早い時期から脳と脊髄への集積増加を示すことを明らかにし、アストロサイトのマーカーとして酢酸代謝を測定することはMS診断に有用な情報を与える可能性を見出している。 令和4年度は、C-14 Deoxyglucose (C-14 DG) 集積が反映する脳内糖代謝は、脳内細胞のどのような変化に基づくかを明らかにするために検討を行った。神経炎症、および神経障害モデルラットを用いた検討から、神経障害が明らかな段階においてはC-14 DGが神経細胞の減少を反映した集積変化を示すが、神経細胞死が生じる前の段階ではアストロサイトとミクログリアそれぞれの活性化を反映した集積変化を示す可能性が明らかとなった。この結果をふまえて、EAEモデルラットにおけるC-14 DG集積の変化と各脳細胞の変化との関係について検討し、F-18 FDGによるMS診断の可能性を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性再発型のEAEモデルマウスの評価系でのイメージング実験を実施する計画であったが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い長期動物飼育を必要とする実験計画の遂行が困難な状況があり、計画通りの実験の進捗が叶わなかった。しかしながら、F-18 FDGを用いたMS診断の可能性を検討するためには重要となる脳内糖代謝に関する基礎的な知見を得ることができたことから、総合的に判断した自己評価は「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
単相性のEAEモデルラットにおけるC-14 Deoxyglucoseの脳・脊髄への集積を評価し、各細胞変化との対応、フィンゴリモド等の治療薬の影響を明らかにした上で、これまでの酢酸代謝に関する知見との比較を行い、論文化を目指す。
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