研究課題/領域番号 |
18K07969
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 杏林大学 (2019-2020) 京都大学 (2018) |
研究代表者 |
松浦 稔 杏林大学, 医学部, 准教授 (30402910)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 鉄代謝 / マクロファージ / 鉄動態 |
研究成果の概要 |
IL-10KOマウスでは腸炎進展とともに慢性炎症に伴う鉄代謝異常を認めた。IL-10KOマウスに通常鉄餌あるいは鉄制限餌を与えた結果、鉄制限群で組織学的腸炎の軽減を認め、腸管マクロファージの細胞内鉄量は有意に低下した。鉄制限群ではM2マクロファージの増加を認め、マクロファージ細胞内鉄量がマクロファージ機能と関連する可能性が示された。細胞内鉄をキレートしたJ774細胞ではマクロファージからの炎症性サイトカイン産生が有意に低下した。以上より、慢性腸炎の進展に伴う生体内の鉄動態の変化はマクロファージの細胞内鉄量の増加と機能亢進を介してIBDの病態に関与する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄がIBDの病態に関与するメカニズムとして酸化ストレスや腸内細菌を介した機序が主に報告されている。一方、生体内の鉄代謝調節の中心的分子であるhepcidinとIBDに関する報告は既にいくつか存在するが、そのほとんどは疾患活動性とhepcidin発現の関連性や炎症性貧血に関するものである。このようにIBD患者における生体内の鉄代謝異常やその病態への関与については未だ報告がなく、本研究は鉄がIBDの病態に関与する新たなメカニズムを解明する上での糸口になる可能性がある。
|